古代米の収穫
町田地区保護司会 鶴川分区 石川 洋一郎
それは平成21年のことでした。当時、町田地区保護司会は、サポートセンター受け入れ準備で会長はじめ理事役員は、多忙を極めておりました。その時の会長小川康夫氏は、熊本県菊池市にある更生施設農場、菊池ファームへ役員を派遣され見学されました。その折、農場で採れた古代米3種(赤米、黒米、みどり米)をお土産にいただいてきました。私もその古代米を盃一杯ほど分けていただき、ゆずり受けました。
翌年、ためしに播いてみると、よく発芽して立派な苗に育ちました。水田の片すみに植え、大切に管理したところ、秋になると鮮やかな朱色、あわいみどり色の稲穂が顔を出し、水田の片すみを色どりました。以来、種モミを増やし、作付面積を広げて小さな水田の大半を古代米で色づかせてきました。
3種類の古代米を説明します。まず、姿、形では、赤米の穂の出たてが一番です。ノ
ゲまで朱色でピンとはった姿は、格別です。
次は黒米です。穂の出はじめから実が入り、穂がたれてくるまで、黒びかりしてくる様は、すこぶる重みがあります。みどり米は、あわい緑であまり目立ちません。味はみどり米が一番美味しい。次が黒米、赤米は収糧はとれるが、味はイマイチです。穂が出はじめてスズメどもが、よってたかって食べるのは、みどり米です。食べるには、モチにしたりおはぎにしたりすると美味しく食べられます。現在のモチと比べても遜色がありません。
今年も、色づいた水田を眺め満足しております。11月に入ると稲刈り、そしてかけぼしをして収穫します。悩みは、種が混じり合うことです。種モミは、一粒一粒厳選して分けますが、やっかいです。
種を播き、育て、実らせる作業は、気持ちが入っていないとできません。私ども保護司の活動ともあい通じるものがあります。
縄文人が、朱に染まった水田のまわりで豊作の舞を舞う姿と、結構うまいモチを食べていたのだと、遠い昔の平和な村落を想い、これから収穫の作業に入ります。
赤米(少し)と黒米
黒米とみどり米
みどり米と黒米