府中地区保護司会 崎山 弘
保護司の対象者(以下、対象者)には何かしらの褒められない行動があり、それを咎められた結果として私たち保護司の目の前に来ています。その対象者に再犯をさせないように支援することが保護司の務めです。対象者はすでに懲らしめられた後であったり、知人や家族からも叱責を受けた後であったりすることも多いはずです。気落ちして、「今度は保護司か」と身構えている相手に対して、さらに輪をかけるように保護司から説教されてもよい人間関係は醸成されません。多くの対象者は、褒められることが久しく無かったはずです。
よく「褒めて育てる」と言いますが、対象者の更生にも褒めることは有効な手段です。上手に褒めるコツは結果ではなく努力を褒めることです。「今日の面談は約束した時間通りに来られたね」と時間を守ったという結果を褒める形を取ると、結果が出ないと褒められません。下手をするといつまでたっても褒める機会が訪れません。場合によっては結果を出すために対象者は不正な手段を取るかもしれません。結果は褒める対象ではないのです。では、何を褒めるのか。今日の面接を忘れないようにスマホにアラームを入れてあった、約束の時間ギリギリだったので駅から走って来た、遅れそうだからと連絡の電話を入れたなどの情報を面接で上手に聞き出して「えらいね、時間を守ろうと努力していた。」と途中経過の努力を褒める理由にします。努力していることを認めてもらえる、そしてそれを褒めてもらえることで努力を継続させることができます。この努力をする気持ちを維持させることがとても重要です。いずれ努力の結果が出ることを待ち続け、よい結果が出たときは、例えば「時間を守ってくれて、私としても嬉しいよ」と、対象者と一緒に保護司が喜ぶ方がよいでしょう。保護司の仕事の一つは、いままであまり褒められることがなかった対象者を褒めてあげることです。





