(日本ソムリエ協会認定 ソムリエ)
ここ十数年、日本のワインが美味しくなったということを、お聞きになることが多くなったと思われませんか?
日本で栽培されたぶどうで作られたワインは「日本ワイン」と表記されるようになりました。簡単に歴史に触れますと、江戸時代初期に九州の小倉藩で始まったと言われますが、本格的には明治10年、勝沼で始まりました。
日本人に親しまれるようになったのは、明治40年にワインに甘味料を加えて、甘く飲みやすくした「赤玉ポートワイン」のヒットによります。昭和48年から赤玉スイートワインに名前が変わりましたが、甘いワインが好きと言われるかたが多いのは、この影響が続いているのかとも思っています。
日本では、フランスの製造法を基に長く、ワインを作ってきました。日本人の評価はすっぱい、甘すぎる。外国人の評価は、薄くて水っぽいというものでした。日本の気候は高温多湿なので、そもそもワイン用のブドウ栽培には向きません。そこで、日本のブドウにあった作り方があるだろうということに変わってきました。その代表的なものの一つが、メルシャンが2005年に発売した、日本固有の甲州というぶどうを使って、はじめて、日本固有のブドウから柑橘系の香りを引き出した、「甲州きいろか」というワインになります。
地ビールは広く認知されてきましたが、ウイスキーや、ウォッカなどの洋酒でも、国産原料で生産する小規模生産者が増え、国際的に高い評価を受ける銘柄もでてきています。逆に、日本酒の評価が世界で高まってきており、外国人により、海外で醸造する蔵元が誕生しています。
こだわりを持った生産者の思いと共に、国産ワインを楽しまれてはいかがでしょうか?
追記:保護司会の皆様からの依頼でしたら、ボランティアで、ワイン講習をさせていただきます。