2017年7月5日水曜日

祭り~大きな更生事業

                      府中地区 小澤 量

 府中には、五月三日~六日に行われる通称「くらやみ祭り」があります。起源を国府時代に持ち歴史的にも深く、参加者も府中のみならず、三多摩一円さらには23区西部・埼玉・神奈川にまで拡がる日本でも有数の祭りだと氏子衆は自負するものです。


 くらやみ祭り  (府中観光協会HPより)
 かつては、荒々しい祭りでしたが、今では女性も参加できる祭りになっており、旧住民のみならず、新住民も参加できる体制を志向する町内も増えております。

 さて、くらやみ祭りのような規模のお祭りでは、祭りのための時間的金銭的負担も大きく、場合によってはケガもします。それでもなぜ、祭りに参加するのか?結局は、人との関わりではないでしょうか?

 くらやみ祭り(神輿)前列左端が筆者
 私の町内でも、マンションの方を誘い、その後、その方たちが町会役員、老人会役員になっていただくケースが多くなっています。一度でも府中のような密度の濃いお祭りに参加すると、理屈損得を超えた一体感を持てるようになるからだと思います。

 さて、保護司的観点から祭りを見ると、青少年と町との関わりに気が付きます。特に、やんちゃが過ぎ、将来に不安を感じる子ほど、昔は祭りに出ました。その後、道を踏み外す人もいました。しかし、それでも祭りには帰ってくるのです。

 祭りに出れば、顔も素性も知られます。先輩や両親・祖父母の代の方との付き合いもあります。そうやって、町の中での自分の立ち位置や役割ができます。外部の視線も気になります。一人ではなく、様々な関係の中で生かされている、このように感じることもできます。

 「府中の祭りは大きな更生事業」と説明してくれた元高校教師もいました。そのような祭りを先人たちが守り続けてきてくれたことに感謝しないではいられません。

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