2023年9月2日土曜日

雑木林の環境保全

                       府中地区保護司会  住﨑 岩衛


実家は農家で市内に畑と多摩市和田に雑木林があった。H13年父が他界し、相続発生し、企業を退社し相続に向かいあった。

雑木林が1.1ヘクタール超えの里山評価額を調べると路線価19万8千円。私が相続すると開発を前提に相続することになり、江戸時代から続く里山を今の姿のまま残す策は、行政に寄付をする答えのみであった。当時は、京都議定書が議論され採択された時代であった。

 

寄付に至る前に国・都の緑地保全策を調べたが、今の雑木林の姿を残す仕組みは何一つ無く、多摩市長を訪ね「農家の維持管理を継承する条件」で寄付に至った(諸経費も自己負担)。

行政に雑木林を寄付することで相続税は免除される。2004年多摩市で開かれた全国雑木林会議(多摩市・町田市・稲城市・八王子市・川崎市・横浜市・日野市)の「里山の法と整備」分科会で、パネラーを担当し里山保全をする上で、法整備が無い現状を説いた。

 

私は、H14年から建築事務所と農業の二足の草鞋を履き続けている。農家の基本である土づくり「雑木林のくず掃き・里山保全啓発活動」を毎年続け、今年で22年を迎える。江戸時代から続く雑木林の恵みを、畑に循環を続けている。「なな山緑地の会」は会発足からT会長・A副会長を始め会員の皆様、公園緑地課K主査の協力があって、20年間活動が続いている。雑木林は環境学習の場であり、多くの方々に愛されている。最近の環境学習では、府中市民支援センタープラッツの紹介で、明星学苑小学5年生100名、早稲田大学のOB・OGが20名の皆さんと、環境学習を開催した。

雑木林の植物調査を実施し、東京都立大学牧野記念館に収納する活動を進め382点の「さく葉標本」を収めた。2018年TMUギャラリーで開催した植物標本展を開催し多くの市民が訪れた。今後も里山保全活動の啓発に努めて行きたい。