北多摩北地区小平分区 緑川 多喜男
小平には昔から「かてうどん」と言ううどん文化が有ります。この小川地域においては、お米が取れず畑作で小麦しか出来ない中での最も美味しい食べ物として「うどん」を作って食べられていたようです。しかし何時も食べられていた訳でなく、祝い事や宴席などの特別な時に出されていたつけ麺でした。当時は大切なご馳走であったとの事を地元の方から聞きます。それらが今では「武蔵野うどん」と呼ばれて食しているのが現在です。
そんな中で自分もうどんを作ってみようと月一回「うどん会」の集まりの時など先輩に指導を受けながら作り、また自宅で試し作りをしました。最初はゆでても短いうどんや、軟らかすぎて失敗ばかりでした。ある時テレビ局の取材が入ったとき自慢げにうどんを作り取材の人達に振舞ったところ、地粉を使ったうどんは食べ慣れない人にはやや硬めの様であったため、取材の人達は一瞬驚いた様子で食べました。余り好評ではなかったように思えたので、つるつるとのど越しの良い「うどん」を作ろうといろいろと工夫を変え自宅で練習を重ね、粉は北海道産の「道産子」と長野産の中力粉を半々に混ぜ、植物オイルを混ぜる。常温の塩水で練り、夏は冷蔵庫で、冬は布団の中で一晩寝かせます。茹でる前に伸して2ミリ幅で麺を切って置き、十分沸騰したお湯で20分茹でます。そして水で3~4回洗い流してできたうどんが「讃岐風うどん」で、のど越しが良く弾力のある麺を早速つけ麵で頂くのが自慢の「手打ちうどん」です。しかし2、3日目の煮込みやカレーうどんはのど越しが良く普段の二倍は頂ける「うどん」になっています。